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1月1日時点の就職意識調査―キャリタス就活2019 学生モニター調査結果(2018年1月発行)

3月の就職活動本番を2カ月後に控えた1月1日時点で、2019年卒者学生の準備状況はどうなっているだろうか。キャリタス就活・学生モニターを対象に、就職意識および就職活動の準備状況などを尋ねた。前年同時期調査との比較や、昨年11月に実施した前回調査からの変化に着目して分析したい。

1.就職先企業を選ぶ際に重視する点
○「将来性がある」47.4%、「給与・待遇が良い」44.2%、「福利厚生が充実している」31.5%
○「仕事内容が魅力的」は今年も2割未満にとどまる(19.3%)

2.就職後のキャリアプラン
○「一つの会社に定年まで」が減少し(48.2%)、「転職でキャリア・アップ」が増加(36.6%)

3.就職活動準備に関して
○「自己分析」71.9%、「学内のガイダンスに参加」69.9%、「業界研究」67.4%の順
○「就職情報会社主催の就職準備イベントに参加」「学内の企業説明会に参加」が大きく増加

4.現時点での志望業界
○「明確に決まっている」27.5%。11月調査より7.1ポイント増加
○志望業界1位「情報・インターネットサービス」、2位「銀行」、3位「調査・コンサルタント」

5.インターンシップ参加状況と参加企業からのアプローチ
○インターンシップ参加者は全体の81.9%。1日以内の短期プログラムへの参加が前年より増加
○インターンシップ参加後に企業からアプローチを受けた学生は8割強(83.3%)に上る
○「インターン参加者限定セミナーの案内」60.2%、「限定インターンシップの案内」47.8%

6.1月1日時点の本選考受験状況
○「選考中の企業がある」20.3%。平均社数は2.0社

7.エントリーを決めている企業
○「エントリーを決めている企業がある」83.1%。社数は9.7社。前年調査より0.8社減少

8.ベンチャー企業への関心
○ベンチャー企業への就職に関心があるのは2割強(24.7%)。前年調査より4.3ポイント減
○関心がある理由は「企業として独自の強みがある」40.2%、「やりたいことができる」39.4%

調 査 概 要
調査対象 : 2019年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)
回答者数 : 1,028人(文系男子338人、文系女子273人、理系男子286人、理系女子131人)
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2018年1月1日〜10日
サンプリング : キャリタス就活2019学生モニター(2016年卒以前は「日経就職ナビ・就職活動モニター」)

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

1.就職先企業を選ぶ際に重視する点

就職先企業を選ぶ際に重視する点を30項目の選択肢の中から5つまで選んでもらった。
最も多いのは「将来性がある」で、47.4%と半数近くが選んだ。次いで「給与・待遇が良い」が続くが、前年調査の36.7%から44.2%へと大きく増加した。続く「福利厚生が充実している」(31.5%)や「休日・休暇が多い」(27.7%)も同様に前年調査よりポイントを伸ばしており、労働条件にこだわる傾向が強まっていることがわかる。大手企業を中心に採用意欲は高く、学生優位の売り手市場が今期も予想されていることから、条件や待遇重視の姿勢は引き続き顕著だ。
「働き方改革」で2018卒学生の就職活動では残業時間に注目が集まった面もあったが、「残業が少ない」は今年も1割未満にとどまった(9.6%)。
一方、数年前まで上位項目に連なっていた「仕事内容が魅力的」は年々ポイントが低下。今年は19.3%と前年調査(18.9%)より微増したが、依然2割未満にとどまる。これだけインターンシップが盛んになっている状況を考えると(5ページで後述)、企業としては仕事内容に魅力を感じて就職先を選びたいという学生がもう少し増えて欲しいところではないだろうか。

2.就職後のキャリアプラン

現時点で考える就職後のキャリアプランを尋ねた。「一つの会社に定年まで勤めたい」という回答が48.2%で最も多いものの、前年調査(49.7%)より1.5ポイント減少。3年連続で半数を割り込んだ。その分「一つの会社にこだわらず、転職などでキャリア・アップを図りたい」が36.6%へと増加した。
過去のデータを振り返ると、就職環境が厳しい時期は「一つの会社に定年まで」が増加し、新卒での就職を一生ものと捉える傾向が強まるが、就職環境が好転すると減少する傾向が見られる。2008年のリーマン・ショック後に「一つの会社に定年まで」は年々増加し、6割近い数字を記録したが、売り手市場と言われてきたここ数年は減少傾向にある。就職環境の改善は、このような意識の変化にも影響を与えている。
なお、今年の結果を文理男女別に見ると、女子より男子で「定年まで」の割合が高いが、大きな差は見られない。一方、文系男子で「転職でキャリア・アップ」が4割を超え(42.6%)、文系女子は「いずれは家庭に」が多いのが特徴的(23.1%)。

3.就職活動準備に関して

就職活動準備として行った内容は「自己分析」が71.9%で最も多く、「学内のガイダンスに参加」(69.9%)、「業界研究」(67.4%)と続く。自己分析は11月調査とポイント数があまり変わらず、新たに取り組んだ学生は少ない。一方、5ポイント以上増えた項目も多く、特に「就職情報会社主催の就職準備イベントに参加」(49.0%→55.9%)、「学内の企業説明会に参加」(35.0%→43.6%)など、企業と対面する場に足を運ぶ学生が増えた。早くから企業との直接的な接触を望み、実際に接点を持っていることがわかる。3月の就職活動解禁の前に、企業の声を聞くことで業界研究や企業研究を進めておこう、との意向が読み取れる。

4.現時点の志望業界

1月1日時点での志望業界の決定状況は、「なんとなく決まっている」という学生が最も多く、49.9%。「明確に決まっている」学生は27.5%で、前回の11月調査(20.4%)より7.1ポイント増加した。業界研究が着実に進んでいることが、ここからもうかがえる。
現時点の志望業界を40業界の中から5つまで選んでもらったところ、最も多かったのは「情報・インターネットサービス」(19.1%)。理系男子で高く(28.5%)、全体順位を押し上げた格好だが、他の属性でも10位以内に入り、属性問わず志望者が多い。IT業界は早期から積極的に動く企業が多く、目に留まりやすいことが理由の1つだろう。一方で、前年まで長らく1位だった「銀行」はポイントを下げ今回2位となった(21.0%→17.8%)。新規採用抑制の報道に敏感に反応していると考えられる。

5.インターンシップ参加状況と参加企業からのアプローチ

インターンシップの参加経験や参加したプログラム日数を尋ね、前年同期調査と比較した。
インターンシップに参加経験を持つ学生は、8割超(81.9%)。前年同様高い水準であり、就職活動開始前のインターンシップ参加が一般化していることがわかる。
参加期間(プログラム日数)ごとに参加状況を見ると、最も多いのは「1日以内」。前年より6.1ポイント増加し、7割を超える(73.2%)。「3日程度」は36.8%で前年より5.3ポイント増加。一方、「5日以上」は38.1%と、前年より6.2ポイント減少した。経団連の日数要件撤廃などの影響で、短期プログラムの開催が増加したためと考えられる。
平均参加社数を見ると、最も多いのは「1日以内」(4.1社)で、前年より1社増加。一方「5日以上」(1.4社)は、前年より0.4社減少しており、短期プログラムにより多く参加する傾向が強まった。なお、文理別に見ると、男女ともに文系の方が理系より参加社数が多い。ただし、大きな差はなく、研究などで忙しいと言われる理系学生も、短期開催のものを中心に参加を重ねていることがわかる。



インターンシップに参加経験のある学生(全体の81.9%)を対象に、インターンシップ参加後に企業からアプローチを受けたか尋ねたところ、「アプローチを受けた」学生は8割を超えた(83.3%)。前年調査より6.4ポイント増加。大半の学生が何らかのアプローチを受けており、インターンシップ参加者へのアプローチも一般化してきたと言える。
加えてどのようなアプローチを受けたかを尋ねると、「インターンシップ参加者限定セミナーの案内」が最も多く、約6割(60.2%)。2番目に多かったのは「インターンシップ参加者限定インターンシップの案内」(47.8%)。3番目は「定期的なメールでのフォロー」と「早期選考の案内」が3割強で並ぶ(ともに35.7%)。全体的にポイントを伸ばした項目が多く、インターン参加者を囲い込んで採用につなげようと画策する企業の様子がうかがえる。

■インターンシップ参加学生の声
○インターンシップに行ってみて感じることは、3月の就活本格化を待って動き出していては遅いということ。やはり早めに社会人と接しておくことで、3月からの就活もスムーズに行うことができると思う。 <文系男子>
○インターンシップが本選考の前段階の選考となっているので、就活が長期化している気がする。 <理系女子>
○インターンシップ参加者の増加に伴い、冬季インターンの恩恵がこれまで同様にもたらされるのかどうかという事を懸念しています。<文系女子>

6.1月1日時点の本選考受験状況

インターンシップの選考を除く、本選考の受験状況を尋ねた。筆記試験や面接など「選考中の企業がある」という学生は2割を超え(20.3%)、その平均社数は2.0社。前年に引き続き早いペースで選考が進んでいることがわかる。

7.エントリーを決めている企業

企業の採用広報解禁(3月1日)まであと2カ月というタイミングでの調査だが、エントリーをしようと決めている企業があるかを尋ねたところ、「エントリーを決めている企業がある」という回答は8割を超えていた(83.1%)。文理男女いずれも8割を超え大きな差は見られない。
具体的にエントリーを決めている企業の数は、全体平均で9.7社。前年同期調査(10.5社)より少ないが、企業を絞り込む傾向が強まるのだとすると、3月以降の一人あたりのエントリー社数は、前年の学生よりもさらに減少する可能性が高い。

8.ベンチャー企業への関心

就職先としてのベンチャー企業への関心度合いを尋ねた。「とても関心がある」が5.1%、「ある程度関心がある」が19.6%で、ベンチャー企業への就職に関心があると回答した学生は4人に1人の割合(計24.7%)。前年の同期調査(29.0%)に比べ4.3ポイント減少した。関心がないという回答が過半数に上り(計51.0%)、売り手市場を背景に大手志向が強まっていることがうかがえる。先に見た就職先企業を選ぶ際に重視する点(2ページ)でも「大企業である」のポイントは増えていた(21.5%→23.9%)。
ベンチャー企業への就職に関心を持っている学生に、その理由を重ねて尋ねた。「企業として独自の強みがある」(40.2%)、「やりたいことができる」(39.4%)、「若いうちに実力を付けたい」(37.0%)の順に多く、上位3項目は前年調査と同じ顔触れ。ポイントの増減に注目してみると、「仕事の裁量が大きい」「企画力・オリジナリティに優れている」などがポイントを減らしている一方で、「内定を取りやすそう」が大きく増えているのが目立つ(6.9%→14.2%)。ベンチャー企業と聞いて思い浮かぶ会社では、採用数が比較的多いメガベンチャーが上位に挙がっており(表は次ページ)、内定への距離が近いと感じる学生が増えているのかもしれない。


就職活動に関して思うこと

就職活動に関する自由な意見を尋ねたところ、就活本番が迫る中、何をどう進めればよいかわからないといった不安や、学業との両立の難しさを訴える声など、様々な意見が寄せられた。

○3月1日が着々と近づいてきて、不安がとても大きいです。<理系女子>
○正直、今の時期何をしたらいいのかがわかっていない。本選考用のESを書くべきなのか、インターンシップに応募すべきなのか等々悩みが尽きない。<理系男子>
○すでに今の時点からストレスを感じている。採用数が増加し、内定辞退に苦しむ企業が出るなど就活の売り手市場が進んでいるとあらゆるメディアから言われているが、果たして自分はきちんと手に職をつけられるのか不安しかない。<文系男子>
○こなさなければならない課題・レポートや、後期試験に向けた勉強をする中で、同時進行でインターンシップ・本選考に向けてエントリーシートを書いたり、SPI対策もしなければならない状況に息苦しさを感じます。<文系女子>
○金融、特に銀行の採用がどのくらい減るのか心配です。<文系男子>
○大企業の情報はよく出てくるけど、どうやって優良中小企業の情報を得ようか困る。<文系女子>
○難関のインターンに合格すると、内定をもらえたかのように錯覚してしまうことがあり、危険だと感じている。<理系男子>
○だんだんと自分がどのような業界で何をやりたいかわかってきました。今は、その業界の企業に就職するために自分が何をすべきかを主に考えながら就職準備を行っています。<理系男子>
○外資系などすでに内定を持っている人が周りにもチラホラ出始めたため焦りが募る。焦るよりもまずは自己分析など基礎固めを進めようと思う。<文系女子>
○コミュニケーション能力を重視する企業が多いが、鍛え方がわからない。<理系男子>
○自己分析をした後の企業分析の重要性を身に染みて感じている。そのうえで、企業を絞っていくフェーズにあるのかなとも思う。<文系男子>
○業界研究などを行い、インターンシップの申し込み等を行なっているが、これは就活のスタートとして遅いのではないか不安である。<理系女子>
○今まで知らなかった業界の動向や、実際に働いている社会人の話を聞く機会が増え、価値観が変わったことを実感している。就活解禁を前に漠然とした不安はあるが、いい企業に巡り会えることを楽しみにもしている。<理系男子>