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11月後半時点の就職意識調査―キャリタス就活2019 学生モニター調査結果(2017年12月発行)

「3月採用広報開始、6月選考解禁」の3年目となる2019年卒者の就職戦線。売り手市場が続く中、2018年卒者と比べ、2019年卒者の就職への意識は、どのように変化していくのだろうか。キャリタス就活・学生モニターを対象に、11月後半時点での就職意識および就職活動の準備状況などを尋ねた。

1.就職戦線の見方
○先輩たちより「厳しくなる」49.6%、「楽になる」50.4%。楽観的な学生が大きく増加
○人手不足による売り手市場は東京五輪まで続くと見る学生が目立つ

2.11月後半時点での志望業界
○志望業界が「明確に決まっている」20.4%、「なんとなく決まっている」55.2%
○志望業界1位「銀行」、2位「水産・食品」、3位「調査・コンサルタント」
○志望のきっかけ「インターンシップに参加して興味を持った」が大きく増加

3.企業選びのこだわり度合い
○「人・社風に強くこだわる」57.7%、「企業規模に強くこだわる」12.9%

4.就職活動の中心とする予定の企業の規模
○「業界トップの企業」18.3%、「大手企業」37.3%。大手狙いの学生が増加

5.就職活動準備状況
○11月までの就活準備は「自己分析」70.1%、「学内のガイダンスに参加」64.3%
○就職準備イベントへの参加経験者は78.4%。今後の参加予定回数は平均3.2回

6.インターンシップの参加状況と今後の参加意向
○モニター全体の80.0%が参加経験あり。前年同期より3.6ポイント増加
○応募理由は「業界研究のため」が最多(76.2%)。前年より11.6ポイント上昇
○平均参加社数3.9社のうち、就職したいと思った企業は1.4社
○今後、参加したい時期は「2月」88.1%、「1月」77.5%の順。前年より参加意向が高い

7.就職活動開始状況
○「自分の中ですでに就職活動は始まっている」85.1%。スタート時期は「3年生の6月」が最多
○「就活スタート」と思う行為は、「インターンシップ情報を探す・応募する」が最多

調査概要
調査対象 : 2019年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)
回答者数 : 1,232人(文系男子388人、文系女子383人、理系男子288人、理系女子173人)
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2017年11月15日〜24日
サンプリング : キャリタス就活2019学生モニター(2016年卒以前は「日経就職ナビ・就職活動モニター」)

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

1.就職戦線の見方

2019年卒の就活生は、自分たちの就職戦線が1学年上の先輩たちに比べてどのようになると見ているのか、その見通しを尋ねた。「非常に厳しくなる」2.6%、「やや厳しくなる」47.0%で、厳しくなると見ている者の合計は49.6%。前年調査(72.6%)より大幅に減少し(23ポイント減)、「楽になる」と見ている者(計50.4%)とちょうど半々に分かれた。
10年前の2009年卒者に近い数字だが、その後リーマン・ショックの影響が本格化し、企業の採用意欲が急激に冷え込んだことで2010年卒からの数年間は「厳しい」との見方が大勢を占める状態が続いた。ここ数年は売り手市場へと変化したにもかかわらず、日程ルールを巡る混乱などで厳しいと考える慎重派が再び多数派に上っていた。それがここにきて楽観的な見方が急増したことは非常に興味深い。
楽になると見ている学生の意見には、人手不足による売り手市場の継続を根拠に挙げる声が多く、「オリンピックまでは大丈夫」と捉える向きが目立つ。また、インターンシップで企業と接する中で、早々に「よい手応え」を感じている学生もいた。逆に厳しくなると見ている学生からは、銀行の人員削減報道や大手企業の相次ぐ不祥事に端を発するかたちで、採用意欲にブレーキがかかることを警戒する声が見られた。

■「厳しくなる」と見る理由
○大手企業の不祥事が相次ぎ、大手企業の採用枠が減るのではないかと感じたから。<文系女子>
○メガバンクが従業員を大幅に削減するなど、方針の転換を打ち出し始めており、他の企業や業界もそれに追随する可能性があると考えられるため。<理系男子>
○インターンシップが普及し、優秀な学生の早期の囲い込みが行われていると予想する。それにより、残りの枠が少なくなり、その下の層にとっては厳しくなる。<文系男子> 

■「楽になる」と見る理由
○前年度よりインターンシップ等の活動が盛んになっており、求人が増加しているのを感じる。<理系女子>
○今年も就職内定率は高かったが、まだまだ人手不足ということもあり、やや楽になると思った。インターンシップに参加した企業の人からも、良い学生を獲得するのが厳しいという発言が多かった。<文系男子>
○東京オリンピックまでは景気が良く、それまでは就職が厳しくなることはないと思っている。<理系男子>

2.11月後半時点での志望業界

志望業界の決定状況は、「なんとなく決まっている」という回答が最も多く、55.2%。「明確に決まっている」は20.4%で、11月の時点で2割の学生は既に明確に志望業界を決めていることがわかった。
志望業界を40業界の中から5つまで選んでもらったところ、「銀行」が前年に引き続き最も多く(18.9%)、次いで「水産・食品」17.9%、「調査・コンサルタント」17.0%と続く。順位の入れ替えはあるものの、上位10位の顔ぶれは前年同期調査とほぼ同じだ。
文系は男女とも首位は「銀行」で、男子は2位「商社(総合)」、3位「調査・コンサルタント」と続き、女子は2位「マスコミ」、3位「官公庁・団体」の順。「官公庁・団体」は理系女子で4位と、特に女子に人気が高い。理系男子を見ると「情報・インターネットサービス」「情報処理・ソフトウエア」が1位2位を占め、IT業界への関心の高さが表れている。なお、文系で1位の「銀行」は、理系では男女とも順位を下げ圏外となった。


現在の第1志望業界を志望するに至ったきっかけを尋ね、前年調査と比較してみた。最も多いのは前年同様「業界研究の結果、興味を持った」(47.9%)で、早くから業界研究を進める学生が今年も多いことがわかる。早めに志望先を絞り込む傾向に変わりはなさそうだ。注目したいのは2番目の「インターンシップに参加して興味を持った」で、前年より8.4ポイントも増加した(37.9%→46.3%)。インターンシップに参加する学生は前年よりさらに増えたが(後述)、それに伴い、インターンシップに参加した業界の中から志望業界を選ぶ(決める)といった動きが強まっていることが推測できる。

3.企業選びのこだわり度合い

会社選びの軸として学生がよく挙げる5つの項目について、こだわりの度合いを尋ねた。「強くこだわる」が最も多いのは「人・社風」(57.7%)で、「ややこだわる」(34.8%)をあわせると92.5%に上る。「仕事内容」「待遇」も9割前後がこだわると回答した(それぞれ計93.2%、計89.6%)。逆に、こだわり度合いが低いのは「企業規模」で、強くこだわる学生は1割程度(12.9%)。ただ、「ややこだわる」(43.3%)をあわせると半数を超える(計56.2%)。

4.就職活動の中心とする予定の企業の規模

就職活動の中心とする企業の規模を尋ねたところ、「業界トップの企業を中心に活動するつもり」18.3%、「大手企業を中心に活動するつもり」37.3%で、いわゆる大手狙いの学生は過半数に上る(計55.6%)。先輩たちの就職戦線よりも難易度が下がると予想する学生が増えたが(2ページ)、そうした気持ちから大手志向が強まったと見ることができる。
これを文理男女別に見ると、女子は「規模にこだわらずに活動」と答える割合が高く、特に文系女子で4割を超える(41.0%)。これに対し、男子は「業界トップ」「大手企業」の割合が女子に比べ高いなど、男女で志向の差が見られる。とりわけ理系男子においては、大手志向の学生は6割強に上っている(65.6%)。

■「業界トップ企業」を中心に活動する理由
○その分野においてトップクラスである企業に身を置き、意識を高くして仕事に励みたいため。<理系男子/メーカー志望>
○各業界のトップ企業はコンプライアンスも一番早く整える傾向があると思うので、安心できる。<文系女子/金融志望>
○給与が一番高いところに行きます。 <文系男子/志望業界未定> 

■「大手企業」を中心に活動する理由
○長く働くためにも雇用の安定した大手の企業を中心に研究をしております。また自身が女性であることから、大手企業の方が女性の産休や育休などの制度を整っていると考えました。<文系女子/商社志望>
○キャリア形成において新卒で入る会社は自分の能力を示す名刺のようなものだから。<文系男子/商社志望>

■「中堅中小企業」を中心に活動する理由
○地元に戻って就職することを考えており、転勤の少ない中堅中小企業に絞っている。<文系男子/金融志望>
○中小企業のほうが自身の業務範囲を広く待てる可能性があるから。<理系男子/メーカー志望>

■「規模にこだわらず」活動する理由
○従業員の数が多いか少ないかよりも、自分がやりたいことをできるかの方が自分にとって重要。 <理系女子/マスコミ志望>
○大手限定とか中小企業限定などとするより、広く構えていた方がいいと思いました。<文系男子/志望業界未定>

5.就職活動準備状況

就職活動の準備として行ったことを尋ねたところ、「自己分析」が7割を超え最も高かった(70.1%)。「学内のガイダンスに参加」がこれに続くが、前年調査より5.3ポイント減少し(69.6%→64.3%)、売り手市場が数年続く中で学生のガイダンス離れが進んでいる様子がうかがえる。一方で、「学内の企業説明会に参加」については前年よりポイントが上がり(28.2%→35.0%)、大学内で開催されるものでも実際に企業が来場したり講師を務めたりするものへの参加は増加傾向が見られる。学内に企業を招くケースが増えたこともあり、企業と接点を持ちたい学生が積極的に参加しているのだろう。他に「OB・OG訪問(社会人訪問)」も増え、企業の情報収集に励む様子がうかがえる。
就職情報会社が主催する就活準備イベント(インターンシップイベント、業界研究イベントなど)への参加状況を見ると、全体の78.4%が「参加経験あり」と回答。多くの学生が早期から会場に足を運んでおり、一人あたりの平均参加回数も増えている(3.3回→3.7回)。こうした準備イベントの多くは、企業の採用担当者や現場社員の話を聞くことができるため、業界研究や企業研究に役立てたいと考える学生が積極的に参加しているのだろう。今後の参加予定回数の平均は3.2回。文理とも男子が女子を上回っている。


6.インターンシップの参加状況と今後の参加意向

インターンシップの参加状況を尋ねたところ、参加経験がある学生はモニター全体の80.0%だった。前年同期調査より3.6ポイント増加しており、6年連続で増加傾向が続いている。就職活動前のインターンシップ参加は、学生にすっかり定着したようだ。平均参加社数を見ると、ショートプログラムへの参加が多く、「1日以内のプログラム」が3.3社で、前年より0.7社増加した。
さらに、応募理由を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「業界研究のため」(76.2%)で、僅差で「企業研究のため」(76.1%)が続いた。特に「業界研究のため」は前年より11.6ポイントと大幅に増加しており、今年、1日以内のインターンシップを実施する企業が増えたことから、業界について広く知る目的で、そうした短期インターンシップに参加する学生が増えたと考えられる。



インターンシップに参加経験のある学生(全体の80.0%)に、インターンシップに参加してよかったことについて尋ねたところ、「企業研究ができた」(74.7%)が最も多く、次いで「業界研究ができた」(69.9%)だった。前年と比較すると「採用情報を知ることができた」、「選考を経験することができた」が増加しているのに対し、「自身の成長が感じられた」はポイントを落としており、インターンシップが就職活動の前哨戦となっている様子がうかがえる。
また、参加した結果、就職したいと思う企業があったかどうか尋ねたところ、7割強(73.6%)の学生が「あった」と回答した。インターンシップ平均参加社数3.9社のうち、就職したいと思った企業は1.4社。インターン参加企業を高い確率で就職先として意識していることがわかる。


今後のインターンシップについて、「参加したくない」と回答した学生は8.0%にとどまり、9割強が参加意向を示した(92.0%)。開催日数別で見ると、「1日以内のプログラム」への参加を希望する学生は、前年より5.8ポイント増加し8割強(82.5%)。「3日程度のプログラム」も約7割と(69.0%)、開催期間が短いものほど参加意向が強い傾向。ただし「5日以上のプログラム」も半数を超えており(55.4%)、様々なタイプのインターンに参加したいと考えている様子がうかがえる。
具体的に参加したい時期を尋ねると、最も多いのは「2月」で9割近い(88.1%)。3月の採用広報開始の前までの企業研究として参加したいと考えている学生が多いのだろう。また、「11月」〜「2月」までは、軒並み前年を上回っており、学生の参加意向が高まっていることがわかる。

■インターンシップに参加してよかったこと
○優秀な社員さんと働いたり、フィードバックをもらったりして、成長を感じた。また、優秀な学生たちとの新たな出会いも刺激的だった。<理系男子>
○元々志望していなかった業界のインターンシップにも参加し、自分の適性を知ることができました。<文系女子>
○働いている社員の姿を見て、自分の将来像が想像できた。<文系男子>
○早期選考に繋がるインターンシップが数社あった。また、採用担当の方と仲良くなったため、選考に多少有利に働くと感じた。<理系女子>

7.就職活動開始状況

学生は、就職活動開始についてどのように捉えているのだろうか。自身の開始状況を尋ねたところ、8割以上(85.1%)が「すでに始まっている」と回答し、前年同期調査の回答(83.0%)を上回った。開始時期は6月(23.2%)が最も多く、6月までの合計は半数を超える(50.4%)。前年調査では約4割だったので(41.8%)、全体的に早まったことがわかる。さらに、何をしたことで就職活動が始まったと考えているのか尋ねると、最も多かったのは「インターンシップ情報を探す・応募する」で、前年の19.0%から21.4%へと増加した。夏季インターンシップに向けて、6月に企業探しを始めたり、応募のための自己分析を始めたりしたことを「就活スタート」と捉える学生が増加したと言える。