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10月1日時点の就職活動調査 – キャリタス就活 2018 学生モニター調査結果(2017 年 10 月発行)

正式内定日(10月1日)を迎え、学生の内定状況はどのように変化しただろうか。キャリタス就活・学生モニターの就職活動状況について調査を行ったところ、リーマン・ショック前の高水準に達した前年をさらに上回る、高い内定率をマークしたことがわかった。
(2018年卒・定期調査 最終回)

1.10月1日現在の内定状況
○内定率は92.7%。前回調査(9月1日時点91.4%)より1.3ポイント上昇
○10月の内定率としては過去最高をマーク
○就職活動を終了したのは全体の89.2%

2.就職先が決まっていない学生の今後の予定
○「就職先が決まるまで就職活動を続ける」62.9%。前年(63.1%)と変わらず
○理系女子は就活継続が81.8%、理系男子は大学院進学が46.9%。属性で傾向異なる

3.中小企業への選考応募状況
○中小企業の「面接試験を受けた」経験をもつ学生は60.8%。前年(63.5%)より減少
○受けた理由は「やりたい仕事に就ける」(44.0%)、「会社の雰囲気がよい」(42.2%)
○受けていない理由は「給与・待遇が良くない」(41.8%)、「安定性に欠ける」(40.9%)

4.Uターン就職の状況
○「Uターン就職者」は16.3%。前年(17.0%)から微減
○Uターンを選んだ理由。男子「地元が好き」「地元貢献」、女子「親の近くで暮らしたい」

5.入社までの半年間の過ごし方
○文系で多いのは「趣味・遊び」(78.9%)、理系は「専門分野の勉強」(94.7%)
○文理で差が見られ、最も差が大きいのは「アルバイト」(文系75.2%、理系48.4%)

6.内定後のフォローと内定者研修
○希望するフォローのペースは「1カ月に1回程度」31.5%。研修や課題には61.3%が賛成

7.就職活動の費用
○平均143,943円で、前年調査より5,180円増加。交通費が約3,300円増加
○総額が最も高いのは「九州・沖縄」(218,348円)、最も低いのは「関東」(118,891円)

調 査 概 要
調査対象 : 2018年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生含む)
回答者数 : 1,225人(文系男子408人、文系女子350人、理系男子305人、理系女子162人)
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2017年10月2日〜10日
サンプリング :キャリタス就活2018学生モニター(2016年卒以前は「日経就職ナビ・就職活動モニター」)

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

1.10月1日現在の内定状況

10月1日現在の学生モニターの内定率は92.7%。9月1日時点(91.4%)から1.3ポイント伸び、2005年に現在の形式で調査を取り始めて以降、10月の内定率としては最も高い数字をマークした。「空前の売り手市場」とも言われる2018年卒就職戦線だが、それをうかがわせるような結果が出た。
内定取得学生のうち就職先を決めて就職活動を終了したのは94.1%。モニター全体を分母にとると、調査時点で就職先を決定して就職活動を終了した者の割合は87.2%(グラフは次ページ)。複数内定を保留しているなど未決定である者(2.0%)を合わせると活動終了者は89.2%となる。



2.就職先が決まっていない学生の今後の予定

10月1日現在で就職先が決まっていない学生(モニター全体の10.7%)に、今後の予定を尋ねた。
「就職先が決まるまで就職活動を続ける」という回答が最も多く、62.9%と前年(63.1%)とほぼ同じ割合。次に多いのは「大学院に進学する」で15.2%。「卒業して就職活動をやり直す(就職浪人を決めた)」(5.3%)と「卒業して非正規雇用で働く(派遣、アルバイトなど)」(5.3%)を足すと10.6%となり、非正規雇用や未就業のまま卒業しても構わないと考える層は1割を超える。
未内定者の今後の進路は文理や男女で差があり(下表)、女子は男子に比べ就職活動継続者が多い(理系女子81.8%、文系女子69.4%)。理系男子は「大学院に進学する」が他の属性に比べ突出して多い(46.9%)。また「海外に留学する」は理系に該当者はいないが、文系は男女それぞれ数パーセントずつ見られる。


3.中小企業への選考応募状況

全員を対象に、従業員300人未満の中小企業への応募について尋ねたところ、「中小企業にエントリーした」(67.4%)、「中小企業の面接試験を受けた」(60.8%)ともに、前年調査より微減した。
中小企業へのエントリー社数の平均は13.0社で、前年調査(14.9社)より1.9社減少。総エントリーに占める中小企業の割合は約3割で大きな変化はないが、総エントリー社数の減少に伴い、中小企業へのエントリー社数も減少した。
一方、面接受験社数は3.0社で前年(3.2社)、前々年(3.4社)から大きな減少は見られない。中小企業にとって、まずは学生に知ってもらい、エントリーしてもらうことが重要と言えるだろう。


中小企業を受けた理由を見ると(グラフは前ページ)、「やりたい仕事に就ける」(44.0%)、「会社の雰囲気がよい」(42.2%)、と続いた。「志望業界の企業だった」(35.5%)、「独自の強みがある」(35.0%)までが3割を超えており、仕事内容や雰囲気などが合うことで、選考に進む学生が多いようだ。一方、受けていない理由は、「給与待遇が良くない」(41.8%)、「安定性に欠ける」(40.9%)、「知名度が低い」(39.0%)がいずれも4割程度と高く、条件面での懸念が中心であることがわかる。
また「特にない」が16.4%あり、短い採用広報期間に、大手志向の学生が中小企業まで見る時間的余裕がなかったと推測される。学生から寄せられたコメントを見ると、選考時の対応は大手より高く評価するものの、それ以前に「情報が少ない」「発見しづらい」という声も多い。自社の強みや魅力をしっかり発信する必要がありそうだ。

■中小企業を受けた印象
○大手企業と比較して探すことが難しかったことや、選考フローや採用情報に全ての情報が書かれていないことが多いと感じた。しかし、面接での対応の良さは中小企業のほうが良いと感じた。<理系男子>
○安定性やその企業独自の強みなどをもっと知りたかった。総じて不安を感じる企業が多かった。 <文系女子>
○経営者が直接学生の質問に答えていて、熱意が伝わった。<文系男子>
○人事の方が非常に親身になってくださり、お会いするたびにフィードバックをいただけたことはありがたかった。しかし、インターネットなどで企業研究したくても、公開されている情報量が少なく、内定後や入社後の自分を想像することもできなかったため、志望度を上げることはできなかった。<理系女子>
○内定までのスピードが速く、安心と言えば安心だが、急ぎすぎていないかと心配なこともある。 <文系男子>
○アットホームな雰囲気が良かったが、面接で家族構成などを聞いてくる中小企業が多かった。<文系女子>
○選考参加人数が少ないのか、膝を突き合わせて話せる企業が多く、選考を受けるなかで理解を深められた速度では大手を凌ぐ。一方で、中小を見だせばキリがないので企業選びの軸の決定が難しくなった。また資金力などの観点で、入社後の研修が十分あるのかなど、ファーストキャリアとして行っていいのかは最後まで悩んだ。<文系男子>

4.Uターン就職の状況

就職活動終了者のうち出身地・親元を離れて生活している学生に、Uターン就職かどうかを尋ねた。「Uターン就職者」は16.3%で前年(17.0%)から微減した。Uターン就職は就職環境が厳しくなると増える傾向があり、リーマン・ショック後の就職氷河期には2割を超えていたが、ここ数年は1割台で推移している。Uターン就職を選んだ理由は男女で違いが見られ、男子は「地元が好き」(52.9%)、「地元に貢献したい」(50.0%)などが多く、地域への愛着が強い。これに対し、女子は「親の近くで暮らしたい」が圧倒的に多く(51.4%)、男子(26.5%)の2倍近くに上る。

■Uターン就活で苦労した点、必要だと思う支援など
○面接会場を選べないところが多く、地元に帰るまでの交通費がかかった。会場を増やしたり、交通費の援助をしたりしてくれたら、助かったと思う。<文系女子>
○地元の企業は情報がほとんどネットに掲載されてない。自分の耳で直接情報を聞く必要がある。 <文系男子>
○現代の学生の多くは貸与型奨学金をもらっているので、奨学金返済のサポートがあれば、地元企業に就職したいと考える学生は増えるだろう。<理系男子>

5.入社までの半年間の過ごし方

就職先を決定し活動を終了した学生は、入社までの約半年間をどのように過ごすのだろうか。
就職活動終了学生に尋ねたところ、最も多かったのは「卒業論文・卒業研究など専門分野の勉強」で8割強(84.0%)に上った。但し、文系が77.2%なのに対し理系学生は94.7%と、文理で20ポイント近く差が見られた。続く「趣味・遊び」以降は、「専攻分野以外の勉強」を除いて文系のほうが総じて高い。文系学生の方が様々な活動を予定していることが表れている。特に4番目の「アルバイト」は、文系が7割を超えているのに対し(75.2%)、理系は4割強(48.4%)にとどまった。文系と理系では、残りの学生生活の過ごし方が大きく異なっていることがわかる。

6.内定後のフォローと内定者研修

就職活動を終了した学生に、内定後、企業にどのくらいのペースでフォローしてもらいたいと思っているのかを尋ねた。最も多かったのは「1カ月に1回程度(毎月)」で31.5%。次いで「2カ月に1回程度(隔月)」23.4%、「3カ月に1回程度」18.6%と続いた。
一方で「基本的にフォローは必要ない」という回答も1割強(16.5%)。「フォローは必要ない」と回答した学生は、文系15.0%、理系18.8%と、理系のほうが約4ポイント多い。希望するフォローのペースも、全体的に理系学生のほうが頻度は低く、頻繁なフォローは望まない傾向が表れている。前ページで見た入社までの過ごし方で、理系学生の94.7%が「卒業論文・卒業研究など専門分野の勉強」を挙げていることから、学業の妨げにならない範囲にとどめてほしいと考えている様子がうかがえる。
また、内定期間中の研修や課題が出ることについての考えを尋ねたところ、「基本的に賛成」20.9%と「どちらかといえば賛成」40.4%を合わせた61.3%が賛成との意向を示した。語学の学習や資格取得など自己啓発へのサポートを、企業に望む学生は少なくないようだ。文理で大きな差はないものの、文系学生では賛成が62.8%と、理系学生(59.0%)に比べてやや高く、文系学生の方が内定期間中の研修に肯定的だ。
いずれにしろ、学生の負担にならないよう、それぞれの状況を踏まえた対応を心掛けたい。

7.就職活動の費用

就職活動にかかった費用について、「リクルートスーツ代」「交通費」「宿泊費」「資料費」「備品代」「有料講座受講費」「その他諸経費」の7つの項目ごとに金額を尋ねた。各項目の平均を算出し足しあげると143,943円となる。前年調査では、2009年に就活費用を調査し始めて以降、最も低い金額だったが(138,763円)、今回5,000円あまり戻った格好だ。(就活費用の推移は次ページにグラフ掲載)
増加額が大きいのは、就活費用のうち最も多くを占める「交通費」で、前年の62,827円から66,170円へと約3,300円増えた。面接試験の平均受験社数は前年より微減したが(平均10.0社→9.6社)、2次面接以降や最終選考などまで進むケースが増え、1社あたりの訪問回数が増えたことで膨らんだとも取れる。また、「備品代」も増えたが、就職活動用にパソコンを購入したというコメントが複数見られ、スマホ世代ならではの出費が平均値を押し上げたようだ。
全体の費用を地域別に見ると、平均額が最も高いのが「九州・沖縄」で、218,348円。「九州・沖縄」は前年調査でも1番だった。2番目に高いのが「北海道」の216,477円。地方は交通費の額が多く、「九州・沖縄」「北海道」とも10万円を超えている。全体の金額が低いのは「関東」118,891円、「近畿」143,215円といった都市圏。交通費・宿泊費の違いが合計額に大きく影響している。
就職活動費用の出どころを尋ねると(グラフは次ページ)、「全額自分で工面した」は39.6%と4割弱で、「親に出してもらった(返済しない)」が半数近くに上る(48.6%)。親の負担額は平均89,699円。平均14万円を超える金額は学生が数カ月間に使う額としては高額であり、すべて自分で工面するのは難しいのだろう。



■就職活動の費用について
○何回も選考に呼び出しておいて交通費を一銭も出さないところが多かった。<北海道・女子/総額32,000円>
○大学が郊外にあるため、都心までの交通費を毎回支出することになるのが痛かった。<関東・男子/総額110,000円>
○私が受けた会社がたまたまかもしれないが、会社が交通費を支給してくれる会社がほとんどで、予想より交通費がかからなかった。<東北・男子/総額39,500円>
履歴書に貼る写真代も結構かかります。定期券内の範囲で活動していたので、宿泊費や交通費はあまりかかりませんでした。<中部・男子/総額50,000円>
○新たにパソコンを買ったために高くついたが、それ以外は自分が望む仕事に就くためなら必要経費だと考えて行動した。<近畿・男子/総額715,000円>
○公務員試験にむけ、通信講座で25万弱使ったのが大きな支出でした。今思えば独学でもどうにかなったと思う。<関東・女子/総額380,000円>
○航空業界志望者向けの講座に通ったが、結局自分の力とモチベーションが及ばず無駄金に近いことになってしまった。親には申し訳ない気持ちしかない。<近畿・女子/総額485,000円>
○鞄は近所のお姉さんのおさがり、手帳は大学から支給、スーツは割引を活用と、安く済ませました。<関東・女子/総額54,800円>
○新幹線代支給の企業に高速バスで行って、その差額で諸経費を回収した。<中部・男子/総額176,000円>