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「2018年卒・新卒採用に関する企業調査−内定動向調査」 〜 2018年3月卒者/2019年3月卒者の採用活動〜 <2017年10月調査>

空前の売り手市場とも言われる2018年卒採用戦線。10月の正式内定日を迎えるタイミングでの採用活動の進捗や充足状況を確認すべく、「キャリタス就活」掲載企業など全国の有力企業を対象に調査を行った。また、2019年卒者の採用についても予定や方針などを聞いた。

I. 2018年3月卒業予定者の採用
1.選考終了状況
採用選考を「終了した」57.1%。前年同期(57.6%)と同水準

2.充足率と、未充足部分の今後の方針
内定者充足率の平均は77.9%。採用予定数達成をめざす企業は20.0%にとどまる

3.内定辞退の増減
前年よりも内定辞退者が「増えた」41.2%。「減った」は19.7%

4.内定出しと内定辞退の時期
内定出しのピーク・辞退ともに6月に集中。選考解禁直後の辞退が前年より増加

5.採用状況の満足度
「質・量ともに満足」「質・量ともに不満」の両方が前年より増加し、満足度に二極化の傾向

II.2019年3月卒業予定者の採用
1.採用数と採用予算
「増える見込み」が19.9%で、「減る見込み」(6.2%)の3倍以上。予算増加は33.0%

2.採用活動の開始予定時期
面接開始のピークは「4月」。前年より前倒しの傾向。内定出しの開始は「6月」が最多

3.採用で注力したいこと
「インターンシップの実施・見直し」が最多(59.0%)。「プレ期の活動」が大きく増加

4.利用予定メディア
「就職情報サイトへの情報掲載」92.1%、「自社採用ホームページ」84.6%

III.インターンシップ実施状況
「冬季に実施を予定」が前年より大幅に上昇(43.4%→56.1%)

調 査 概 要
調査対象 : 全国の主要企業 18,151社
調査時期 : 2017年9月27日 〜 10月4日
調査方法 : インターネット調査法
回答社数 : 1,362社

調査機関 : 株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

I. 2018年3月卒業予定者の採用

1.選考終了状況
2018年3月卒業予定者の採用選考を「終了した」企業は全体の57.1%。正式内定日(10月1日)を迎えるタイミングでの終了率は半数を超え、前年同時期調査(57.6%)と同水準だった。選考解禁1カ月後に実施した前回調査(今年6月下旬〜7月初旬)では23.8%だったので、この3カ月間で33.3ポイント増加した。
従業員規模別では、規模が大きくなるほど終了率は上昇し、1000人以上の大手企業では6割を超える(63.1%)。一方、300人未満の中小企業では52.7%で、約10ポイントの差が見られる。
業界別はさらに濃淡があり、「金融」は8割以上が採用選考を終了している(80.2%)。最も終了率が低い「サービス業」(47.6%)との差は30ポイント以上に及ぶ。

2.充足率と、未充足部分の今後の方針
採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は77.9%。前年同時期調査(79.9%)をやや下回った。7月調査では59.9%だったので、この3カ月間で18ポイント上昇。ただし、採用継続企業では、59.5%と6割に届いていない。
従業員規模が大きくなるにつれ充足率も上がり、大手企業では8割を超えているのに対し(85.8%)、中小企業、中堅企業では7割にとどまる(70.8%、77.7%)。業界別では、終了状況同様「金融」が高く、9割近い(89.1%)。「サービス業」は70.9%で、他の業界に比べ充足の遅れが目立つ。

採用選考を「終了した」と回答した企業(全体の57.1%)の充足状況を見てみる。採用活動を終了した企業のうち充足率が100%と回答した企業の割合は66.2%で、前年(69.8%)よりも低下。残り3割以上の企業は、採用予定数に届かない状態で終了しており、無理に数合わせをしない姿勢がうかがえる。従業員規模別で見ると、大手企業では、終了した企業のうち充足率100%と回答したのは7割近いのに対し(68.4%)、中小企業では63.3%にとどまった。

一方、採用活動を継続している企業には、未充足部分に対する今後の方針について尋ねた。「充足率100%をめざす」と回答した企業は20.0%。大半が質優先の姿勢を示した。従業員規模別では、中小企業が14.6%、中堅企業が20.5%、大手企業が27.1%と、規模が大きくなるにつれ、充足率100%にこだわって採用を続けている様子がうかがえる。業界別では「サービス業」において「充足率100%をめざす」と回答した企業が3割近いのに対し(29.3%)、「IT」では10.8%にとどまる。

3.内定辞退の増減
すべての企業に内定辞退状況を尋ねたところ、前年と比較して「かなり増えた」と回答した企業が13.4%。「やや増えた」(27.8%)と足し合わせると4割に上る(41.2%)。一方「やや減った」、「かなり減った」は合わせて約2割(19.7%)。内定辞退が増えた企業は、減った企業の2倍以上に上り、厳しさが伝わる結果となった。
従業員規模別で大きな差は見られず、いずれの規模でも「増えた」が「減った」を上回っている。業界別でも、いずれも「増えた」が「減った」を上回っているが、「金融」では内定辞退が増えた企業、減った企業が、ともに他業界より多く、業界内での明暗がより分かれた。

4.内定出しと内定辞退の時期
「内定出しのピーク(最も多くの内定を出した時期)」「内定辞退のピーク(最も多く辞退があった時期)」を尋ね、前年と比較した。「内定出しのピーク」は、前年同様6月上旬が最多で(16.3%)、6月1日の選考解禁のタイミングで内定出しを本格化させた企業が今年も多かったことがわかる。ただし、5月中旬以前が増加しており、前年より早く内定出しのピークを迎えた企業が多かったようだ。従業員規模別で見ると、大手企業で6月上旬に集中しているのに対し(24.5%)、中小企業、中堅企業では分散している。
「内定辞退のピーク」は、前年は6月中旬〜下旬に集中していたが、今年は6月上旬〜中旬へと前倒しとなった。企業の内定出しのタイミングが早まったことで、学生の意思決定時期も早まり、選考解禁直後に内定辞退が多く出た様子がうかがえる。


5.採用状況の満足度
内定者に対する満足状況を、質と量(人数)の観点で尋ねた。「質・量ともに満足」という回答は全体の約3割(32.2%)で、「質・量ともに不満」は約2割(22.0%)だった。
前年調査と比較すると、「質・量ともに満足」が2.6ポイント増加した。一方、「質・量ともに不満」も増加しており(1.4ポイント増)、内定者への満足度に二極化の傾向が見られる。また、質への不満よりも量への不満が多いことからも、選考基準を落とさずに採用数を確保しようとした企業が多く、その結果、優秀な学生の争奪戦となっていたと考えられる。
従業員規模別では、大手企業で「質・量ともに満足」の割合が36.0%と他よりも高く、業界別では「金融」の満足度が約5割と高いのが目立つ(47.4%)。

【Voice-1】――ここまでの採用満足状況
【満足の声】
○質を保てない場合は採用しない方針であったが、必要人数を確保できたため、質・量ともに満足している。<教育/大手>
○学生フォローを充実させ、早期に接点を持った良い学生から多く入社承諾を得ることができた。<商社(専門)/中堅>
○内定辞退はあったが、インターンシップを活用した採用で、効果的に採用できた。<水産・食品/中堅>

【質または量に課題】
○内定辞退が多く、全体的に質の良い学生が大手企業に流れている。<銀行/中堅>
○採用計画数に対し内定者は充足したため量には満足しているが、優秀だと思う人材は他社へ流れてしまった。<自動車・輸送用機器/大手>
○母集団不足および選考に進む人材の質が悪く、一次試験まで進まない。<機械・プラントエンジニアリング/中小>
○そもそも母集団の数がかなり少なく、その中から選ばざるを得なかったため、質・量ともに物足りない状況でした。<その他サービス/大手>
○理系人材獲得に取り組んだものの結果に結びつかず。また理系人材に重きを置いたため、文系人材の質が昨年比低下傾向。<電子・電機/大手>
○頭は良いが、全体的におとなしく自主性が不足しているように感じる。また、内定承諾率が昨年比で低下している。<情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト/中堅>

II.2019年3月卒業予定者の採用

1.採用数と採用予算
ここからは2019年3月卒者の採用計画に関する調査結果を紹介したい。
2019年卒者の採用見込みについて尋ねたところ、「増える見込み」と回答した企業は19.9%で、「減る見込み」(6.2%)の3倍以上にのぼった。「今年度並み」と回答した企業は全体の73.9%。企業の採用意欲は引き続き高く、さらなる採用増が見込まれる。
従業員規模別での大きな差はなく、いずれの規模でも「増える見込み」が「減る見込み」を大幅に上回った。業界別では、「金融」で「減る見込み」(22.0%)が「増える見込み」(10.2%)を上回っているが、その他の業界では、いずれも前年より「増える」が「減る」を大幅に上回っている。「IT」「サービス業」では「増える見込み」との回答が2割を超える。
予算についても増加傾向が表れている。「かなり増える(3割以上増)」(6.4%)、「やや増える(1〜2割増)」(26.6%)と、あわせて3割強(33.0%)が「増える」と回答した。「増える」は金融以外の業界で3割を超えており、とりわけ「IT」「サービス業」で高く(35.1%、36.3%)、採用数の増加に伴い、予算を増やす企業が多いことがわかる。


2.採用活動の開始予定時期
2019年卒採用のスケジュールは、「3月採用広報解禁、6月選考解禁」の3年目となるが、企業は自社の採用活動時期をどのように計画しているのだろうか。
自社採用ホームページでの情報公開時期は、広報解禁直後の3月が最も多いが(46.3%)、前年実績に比べ減少。その分、12月以前が大きく増加し、3割強を占める(32.7%)。3月より前に公開する企業の合計は半数を超える(50.8%)。自社セミナーの開始も3月が最も多いが(63.1%)、同じく前年実績より割合が下がり、より早期に開始する企業が増える見込みだ。エントリーシート(ES)受付開始についても前倒す動きが見られる。

次に面接開始と内定出し開始の予定時期を確認したい。
面接開始は前年に引き続き4月が最も多いが(35.1%)、割合はやや下がり、3月以前という回答が増加している(計33.7%→38.6%)。一方、5月が前年実績よりも2.8ポイント減少するなど(14.5%→11.7%)、5月以降は軒並み減少。面接の開始時期も全体的にやや早まりそうだ。選考解禁の6月は前年同水準の12.4%にとどまり、解禁前に面接を開始すると回答した企業は合計で8割以上(85.5%)にのぼる。従業員規模別に見ると、いずれの規模も4月開始が多く、1000人以上の大手企業でも6月以降の開始は21.4%にとどまる。
一方、内定出しについてはやや慎重な姿勢が見られる。前年は5月が3割を超えて最も多く、4月、6月と続いたが、19卒については6月が最も多くなる見込みだ(27.6%)。また、4月から6月にかけてほぼ同率で、山が分散しているのが見て取れる。18卒採用では内定辞退者が増えた企業が4割強に上った(4ページ)。早期の内定出しに一因があると考え、改善に乗り出す企業があるのだろう。なお、中堅・中小企業では5月が最も多く、大手企業は6月に集中している(35.6%)。

3.採用で注力したいこと
2019年卒の採用で注力したいことを尋ね、前年調査と比較してみた。前年調査では「大学との関係強化」が最も多かったが、今回は「インターンシップの実施・見直し」が1位になった。ポイントも48.5%から59.0%へと10ポイント以上伸び、より多くの企業で課題として捉えている様子がわかる。最もポイントを伸ばしたのは「プレ期の活動」で、11.0ポイント増加し(34.8%→45.8%)、前年の6位から3位へと浮上した。両者とも早期に学生の目に留まる策であり、より早い時期からアプローチする必要性を感じている企業が急増している証と言える。

【Voice-2】――2019年卒者の採用で注力したいこと
○3月より前から知っていた企業にばかり応募している学生が増えているように感じるので、プレ期から認知度を上げる施策を実施していきたい。<商社(専門)/中堅>
○従来から夏のインターンシップ(2週間)を実施していましたが、今年から冬のインターンシップ(1日)を全国各地で計画しています。<機械・プラントエンジニアリング/大手>
○自社セミナーの時期を早め、内容を充実したものとしていきたい。<銀行/大手>
○全体的にこれまでのやり方から大きく考え方を変えていかなくてはいけないと感じています。<エネルギー/中堅>
○引き続き選考辞退率、内定辞退率が上がらないよう工夫していきたい。<情報処理・ソフトウエア/中小>

4.利用予定メディア
2019年卒採用で利用予定のメディアやサービスを尋ね、2018年卒採用での利用実績と比較した。
最も多いのが「就職情報サイトへの情報掲載」で、実績・予定ともに9割を超えている。次いで、「自社採用ホームページ」(84.6%)と「学内セミナー・説明会」(84.0%)が僅差で続き、「合同セミナー・説明会」(77.7%)までが7割を超える。
「大学への求人票」の割合が低下しているのが目立つが(75.3%→69.3%)、早期対策に力点を置く企業が増えたことで(10ページ)、減少していると見ることができる。早期アプローチでうまく結果が出ない場合など、後半戦に求人票を活用する企業が増える可能性はある。
1社あたり平均6〜7項目を選択しており、多岐にわたるメディアやサービスを利用して採用広報に注力しようとしている姿勢が読み取れる。

III.インターンシップ実施状況

来年2月までのインターンシップ実施(予定を含む)について、時期別に尋ねた。前年調査と比較するといずれの時期でも増加しているが、特に「冬季」が最も増え、6割近い企業が実施予定と回答(56.1%)。前年(43.4%)より10ポイント以上増加した。

時期別に、実施期間をまとめたところ、「夏季」では「5日」(29.6%)が最多だが、「1日」(28.6%)が僅差で続く。一方、「秋季」「冬季」では、ともに「1日」が圧倒的に多く、「1日」と「半日」と合わせると、「秋季」は76.5%、「冬季」で79.5%と、大多数が1日以内の短期プログラムである。特に「秋季」では、1日以内が前年(60.3%)より15ポイント以上増加。「冬季」でも、前年(71.0%)より8.5ポイント増加した。採用広報解禁直前に、短期間で効率的に多くの学生と接点を持ちたいという企業の意向が表れている。

【Voice-3】――インターンシップについて
○企業を幅広く見たいという意欲が強いので、もともと業界や自社に興味を持っていない学生を囲い込む好機ととらえている。<医薬品・医療関連・化粧品/大手>
○実施企業が増えた為、参加者が減った。内容についてもよく検討しないと学生の満足度が上がらず、選考にも参加してもらえないように感じる。<鉄鋼・非鉄・金属製品/大手>
○画一的なインターンシップでは学生が集まらないし、歩留まりしないと思う。<情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト/中小>
○早期のほうが優秀学生と接触できる可能性が高いと感じているので、広報解禁直前期のインターンでも優秀人材の母集団形成が図れるようにしていきたい。<保険/大手>
○今まで実施してこなかったが採用活動に苦戦しており、実施を検討したい。<建設・住宅・不動産/中堅>