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2018年卒・新卒採用に関する企業調査−中間調査 <2017年7月調査>

深刻な人手不足を背景に、過熱する2018年卒採用戦線。6月1日の採用面接解禁から約1カ月が経過し、最大のヤマ場を超えた6月下旬〜7月上旬時点の採用活動状況を確認すべく、「キャリタス就活」掲載企業など全国の有力企業を対象に調査を行った。

1.2018年3月卒業予定者の採用活動の開始時期
○面接開始は「3月下旬〜4月中旬」が増え、早期化が顕著。内定出しは「6月上旬」が最多

2.学生の反応(2017年卒採用との比較)
○エントリー、選考応募者のいずれも「減った」が「増えた」を上回る
○選考途中辞退・内定辞退ともに、前年より増加傾向

3.学生に対する満足度
○学生への満足度は、「量」に対する不満が目立つ。「学生の二極化が進んだ」66.3%

4.選考終了状況と内定者充足率
○採用選考を「終了した」23.8%。充足率の平均は59.9%。
○後半戦に「危機感がある」企業は8割を超える(82.2%)

5.理工系採用の推薦導入状況
○推薦導入企業は25.1%。製造業では34.8%。推薦者の面接開始時期も早期化

6.インターンシップ実施状況と効果
○実施企業の7割強(72.2%)が採用活動への効果を実感。「母集団形成への効果」が最多
○実施日数への意見「教育的効果が高いものなら、1日でよい」50.2%

7.2019年卒業予定者の採用計画
○採用数「増加」15.8%、「減少」6.5%。引き続き拡大傾向。予算「増加」22.8%

8.人事担当者川柳
○「逆質問 タブー視しない 残業確認」「学生に 縁があったらと あしらわれ」

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリタスリサーチ

1.2018年3月卒業予定者の採用活動の開始時期

3年ぶりにスケジュールの変更がなく、前年と同じ日程ルール(3月採用広報解禁、6月選考解禁)で行われた2018年卒採用。企業の採用活動時期に変化は見られるだろうか。
自社セミナーの開始は3月が多く、3月1カ月の合計は7割を超える(71.3%)。特に広報解禁直後の3月上旬(32.2%)が前年より8.3ポイント増加するなど、前のめり感が強まった。エントリーシート(ES)受付開始も3月上旬が最も多く、42.5%と自社セミナー以上に集中。筆記・適性テストは比較的分散しているが、2月以前から4月上旬のポイントが前年より増加しており、前年よりも前倒して実施する企業が少なくなかったことが見て取れる。

次に面接開始と内定出し開始の時期を確認したい。
面接開始は、選考解禁直後の6月上旬は9.7%と1割未満にとどまり、3月下旬から4月中旬が面接開始のピークとなった。この時期に面接を開始した企業は全体の42.0%に上るなど、早期化が顕著だ。6月の選考解禁を待たずに面接を開始した企業は合計で85.0%。前年(78.8%)より6.1ポイント増えて8割を超えた。
企業規模別に見ると、従業員1000人以上の大手企業では6月上旬の数字が他の規模に比べて高いものの(14.6%)、最も多いのは3月下旬(16.4%)。ルールの形骸化が進んだ様子が見られる。中堅企業においては4月中旬(15.0%)、中小企業は4月上旬(14.2%)が最も多かった。
内定出しの時期は、選考解禁直後の6月上旬が最多(18.0%)だが、3月下旬から5月上旬のポイントが前年より上昇しており、内定出しのタイミングもやや早まったことがわかる。どの規模も最も多いのは6月上旬だが、従業員1000人以上の企業では23.5%に上り、大手企業は選考解禁直後の内定出しが比較的多かったことがわかる。中堅・中小企業は分散している。

2.学生の反応(2017年卒採用との比較)

次に、採用母集団形成の状況を確認しよう。
まず「エントリー数」は、前年度に比べ「増えた」が31.4%、「減った」が43.8%で、減った企業が増えた企業を12.4ポイント上回った。従業員規模別では、いずれも減った企業が4割を超えるが、とりわけ300〜999人の中堅企業において、「増えた」と「減った」の差が大きく、厳しさが表れている。
「選考への応募者数」についても同様に減少傾向が見られ、企業規模によらずエントリー受付数が減った企業は選考への応募学生も減らしてしまっているケースが多いことが推測できる。
選考開始時期を早めた企業が増えたことで、物理的に応募社数を絞らざるを得なかった学生もいると見られる。早期化も母集団形成に苦戦する企業が増えた要因の一つと言えそうだ。

辞退者についても、同様に前年からの増減を見てみよう。「選考途中辞退者」と「内定辞退者」について、それぞれ前年度からの増減を尋ねた。
前年度と比較して選考段階での辞退者が「増えた」という企業は29.9%。これに対し「減った」は20.5%で、「増えた」が「減った」を9.4ポイント上回っている。
内定辞退者については、「増えた」31.0%、「減った」20.8%。選考解禁から約1カ月後の途中経過ではあるものの、辞退者は増加傾向が見られる。

3.学生に対する満足度

採用活動のフェーズごとに学生への満足度を尋ねたところ、母集団(エントリー者)と選考応募者において「質・量ともに満足」は1割台にとどまる(17.7%、16.1%)。「質には満足だが、量に不満」と「質・量ともに不満」を足し合わせると、両者とも6割を超え、量への不満が目立つ。内定者については、満足度はやや上がるものの、量に対する不満は強い(64.5%)。

今年の就活生に対して感じたことを尋ねた。いずれの項目でも「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」を大きく上回った。特に「学生の二極化が進んだ」では「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計が6割を超える(66.3%)。インターンシップ参加など早期から動き出した学生と、そうでない学生との差が開いたと感じる声が多く挙げられた。

【Voice-1】――今年の就活生に対して感じたこと 

○学生の二極化が昨年より顕著に見て取れた。売り手市場にあぐらをかいている学生が多い印象。
<情報・インターネットサービス>
○早期から動いている学生は、意識も高く質の良い学生が多かったが、後半の学生は業界や企業理解が不足している学生が目立った。                            <建設・住宅・不動産>
○インターン参加企業などについてはよく理解しているが、そうでない業界や企業研究は不十分で、偏りがあるように感じる。                                   <素材・化学>
○働き甲斐や仕事内容等に関する質問をする学生が減り、一方で休日や残業時間等の待遇面の質問をする学生が増えたように感じます。                              <商社(専門)>
○業界への理解が低いので、併願している企業に共通点が無く、内定が揃った後に迷い始める学生が多く見られた。

4.選考終了状況と内定者充足率

調査時点で採用選考を「終了した」企業は全体の約2割(23.8%)。終了率に従業員規模による大きな差はないが、業界別で濃淡が見られる。「金融」は終了している企業が他業界より多く、唯一3割を超えている(36.7%)。
採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は59.9%。従業員規模が大きくなるにつれ充足率も上がり、従業員1000人以上の大手企業では7割を超える(71.6%)のに対し、299人以下の企業では約半数にとどまる(50.2%)。業界別では、終了率同様「金融」が高く、74.4%と他業界を10ポイント以上、上回る。
充足率6割というのは前年同期調査(59.4%)と同水準だが、先に見た通り、前年より面接時期を早めた企業が多かったことと考え合わせると、やや物足りない数字と捉えることもできる。採用継続企業に限ると、充足率は半数を割っている(49.2%)。

充足率が100%に届いていない企業に、充足の見込みを尋ねた。「充足できる見込み」という回答は3割にとどまり(31.4%)、「充足は難しい」と考える企業の方が10ポイント以上多い(42.4%)。ただし、充足率が比較的高い大手企業では、「充足できる見込み」が半数近く、中小企業(18.5%)の2倍以上。業界別に見ると「金融」で「充足できる見込み」が半数を超えているのに対し(57.6%)、「サービス業」では2割台(22.5%)で、厳しい状況が表れている。
採用戦線後半戦への危機感は高く、「かなり危機感がある」(42.3%)と「やや危機感がある」(39.9%)をあわせると8割を超える(82.2%)。従業員規模別に見ると、中小企業ほど危機感が高く、充足見込みと反比例するかたちだ。業界別では、充足見込みの高い「金融」で「かなり危機感がある」企業の割合が極めて低く、1割台にとどまった(14.3%)。

5.理工系採用の推薦導入状況

理工系学生を採用している企業(全体の70.2%)に、推薦制度の導入状況を尋ねた。「導入している」と回答した企業は25.1%で、製造業では3割を超える(34.8%)。従業員規模別で導入状況に差が見られ、大手企業では4割を超える(42.9%)。
導入企業における推薦で受験する学生への対応としては、「自由応募よりも優先的に選考する」が最も多く(51.3%)、「面接回数の減免」(42.2%)が続く。
面接開始時期は4月上旬(19.8%)が最も多く、次いで4月中旬(18.4%)。前年は4月中旬がピークだったことから、推薦制度においても、面接開始時期の早まりが顕著に表れている。3月上旬が10.1%に上り、採用広報解禁直後から選考を始める企業が増加。一方、6月下旬は前年の17.8%から13.4%に減少した。

6.インターンシップ実施状況と効果

2016年度(2016年4月〜2017年3月)のインターンシップについて尋ねたところ、6割以上が実施したと回答(60.9%)、前年度(51.2%)より10ポイント近く増加した。従業員規模別で見ると、大手企業では77.6%だったのに対し、中小企業では45.9%と、30ポイント以上の差がみられた。
インターンシップ実施企業のうち7割以上(72.2%)が採用活動に効果を感じていると回答。従業員規模別に見ると、大手企業で82.0%に上り、規模が大きいほど効果を感じる割合は増すが、中小企業でも6割を超えており、一定の効果が表れているようだ。
効果の内容としては、「母集団形成につながった」が67.7%で最も多く、「優秀な学生に内定を出せた」も半数近い(46.7%)。

2017年度(2017年4月〜2018年3月)のインターンシップ実施予定については、6割以上(64.1%)が「実施する」と回答、「実施しない」(14.9%)の4倍以上。昨年度実施しなかった企業の約2割は、今年度「実施する」と回答。インターンシップからの採用については、「前年より増やしたい」が7割を超え(73.8%)、採用活動におけるインターンシップの重要性が増していることがわかる。
また、インターンシップ実施有無に関わらずすべての企業に、今年4月経団連の指針改定によりインターンシップの日数要件が撤廃されたことについての考えを尋ねたところ、「教育的効果が高いものなら、1日でよい」が過半数(50.2%)。「教育的効果に関係なく1日でよい」(30.4%)と合わせると、8割が1日インターンに肯定的な考えを持つことがわかった。今後、1日など短期のインターンシップ実施企業が大幅に増加することが予想される。

【Voice-2】――インターンシップ日数についての考え 

○学生の拘束時間も考え、教育的効果が高いのであれば特に日数を制限する必要はないと思う。   <医薬品>
○5日以上に限定されてしまうと十分な受入れ態勢を整えることができない企業が多い。 <商社(専門)>
○1日であれば学生が気軽に参加できるため、多くの学生との接触が見込める。日数の長いインターンシップも設けることで、幅広い学生のニーズに応えられる。   <コンビニエンス・GMS>
○はじめから5日以上だと、参加のハードルが高く、そもそも興味のある業界しか学生はインターンに行かない。
1日にすることで、学生にとってもいろいろな業界を見る機会になると思う。 <調査・コンサルタント>
○学びのある内容であれば1日でも良いが、半日等の会社説明会・座談会というようなプログラムはインターンシップとすべきではない。 <商社(専門)>
○企業、仕事の実際の現場を体験するには、1日では完全に不足しているので1週間以上は必要。
<情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト>
○長期インターンの方が、社風や社員関係等を学生に見せることができるため、学生が会社をしっかり理解した上で選択することより、離職率も下がると思います。 <電子・電機>

7.2019年卒業予定者の採用計画

2019年3月卒者の採用計画に関する調査結果を紹介したい。
2019年卒者の採用見込みについて尋ねたところ、「増える見込み」と回答したのが15.8%で、「減る見込み」(6.5%)を大きく上回る。企業の採用数はここ数年増加傾向が続いているが、引き続き採用意欲が高いことがわかる。従業員規模別で見ても大きな差はないが、中小企業で「増える見込み」が18.6%と、最も採用意欲が高い。2018年卒採用で充足できない分を補完したいと考える企業も少なくないのだろう。
採用数の増加に伴い、予算も増加傾向が表れている。「増える見込み」は22.8%で、「減る見込み」(10.1%)の2倍以上。

2019年卒者の採用活動で必要だと思う対応を尋ねた。全8項目のいずれも「増やす」が「減らす」を大幅に上回り、採用広報を強化する動きが顕著に表れている。中でも、「プレ期の活動を増やす」企業は67.9%に上り、早期からの学生へのアプローチを強める姿勢がうかがえる。

8.人事担当者川柳