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10月1日時点の就職活動調査-2016年度 日経就職ナビ 就職活動モニター調査結果(2015年10月発行)

選考解禁から2カ月が経過し、正式内定日である10月1日を迎えた。日経就職ナビ・学生モニターの就職活動状況について調査を行ったところ、内定率は87.0%で、前年同期(2014年10月)とほぼ同水準だったことがわかった。また今回は、就職活動費用や就職活動でついた嘘など、等身大の学生の姿が垣間見える指標についても調査結果を紹介したい。

1.10月1日現在の内定状況
○内定率は87.0%。前年同時期(87.6%)とほぼ同水準
○内定者のうち、就職先を決定し活動を終了したのは90.4%
2.未内定者の今後の予定
○「就職先が決まるまで就職活動を続ける」75.5%。前年同時期(53.4%)より大幅増
3.就職活動継続者の状況
○今後の方針、「新たな企業を探しながら幅広く」47.6%。先月調査より13ポイント増
○就職活動を終えたい時期は、「年内」40.8%、「卒業までに」28.2%
4.内定式について
○内定式があった学生は71.2%。開催日は「10月1日」が82.2%
○内定式の内容は「内定証の授与」89.1%、「内定者懇親会」76.5%など。
各項目の実施率が上昇し、充実させる傾向がうかがえる
5.入社までの半年間の過ごし方
○文理差が大きく、文系が多いのは「趣味・遊び」「アルバイト」、理系は「専門分野の勉強」
6.内定後のフォローと内定者研修
○希望するフォローのペースは「1カ月に1回程度」33.5%、「2カ月に1回程度」23.8%
○内定期間中の研修等に対し、「賛成」64.6%、「反対」35.4%
7.就職活動の費用
○平均162,902円で、前年調査より約11,500円増加。交通費が約5,600円増加
8.就職活動でついた嘘
○嘘をついた学生は68.2%。「第一志望でない企業に『第一志望です』」が最多(69.7%)

《調査概要》

◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリアリサーチ
「日経就職ナビ 就職活動モニター調査」は、株式会社日経HRと株式会社ディスコが大学生の就職活動状況を調査することを目的として実施しています。
日経就職ナビは日本経済新聞社が主管し、株式会社日経HRが企画・管理を担当し、株式会社ディスコが運営事務局を務めています。

1.10月1日現在の内定状況

10月1日現在の学生モニターの内定率は87.0%。前回調査(今年9月調査)では82.3%だったので、この1カ月間の伸びは4.7ポイント。内定率は5月以降、毎月15ポイント以上のペースで上昇してきたが、ここにきて一気にペースダウンし、かなり落ち着いてきた様子が分かる。
また、今年はスケジュールが大きく繰り下がったことで、内定率は前年同月を下回る値で推移してきたが、この10月調査で前年の水準(87.6%)にほぼ追いついた。
内定取得学生のうち就職先を決定して活動を終了したのは90.4%。9月調査では80.2%だったので10ポイント余り上昇した。新たに内定を獲得した層に加え、就職先を決めかねていた層が正式内定日(10月1日)を前に結論を出したのだろう。なお、本調査時点での就職先決定者の割合はモニター全体の78.6%で、前年(80.5%)より1.9ポイント減少した。

10月1日現在の内定の状況

内定率の推移

学生モニターの内定の有無および活動状況

2.未内定者の今後の予定

10月1日現在で内定を得ていない学生(モニター全体の13.0%)に、今後の予定を尋ねた。前年同様「就職先が決まるまで就職活動を続ける」が最も多いが、その割合は75.5%と前年同期(53.4%)を大きく上回る。前年の場合、10月時点で選考解禁(4月)から半年が経過していたが、今年の場合は2カ月しか経っておらず、追加募集も含め採用活動を続ける企業が多いことから、内定取得を目指して就職活動を続ける学生が増えたのではないだろうか。
ただし、未内定者の今後の進路は文理や男女で大きな差があり、文系は就職活動継続者が男女とも8割を超えているのに対し(文系男子81.1%、文系女子83.1%)、理系は文系に比べ「大学院に進学する」が多い傾向がある(理系男子34.0%、理系女子15.4%)。

就職先が決まっていない学生の今後の予定

3.就職活動継続者の状況

内定保持者も含め、10月1日現在で就職活動を継続している学生(モニター全体の19.3%)の、現在選考中の企業数は1.7社で、これから受験する予定の企業数は2.4社。いわゆる持ち駒企業はあわせて4.1社。今後の就職活動の方針・戦略に対し「新たな企業を探しながら、幅広く持ち駒を広げていく」と回答した層がさらに増えたことを考えると(47.6%)、受験予定数は今後増加していくと予想される。
就職先を決定して就職活動を終了したいと思う時期を尋ねると、「年内」が40.8%で最も多く、「卒業までに」が28.2%で続く。ここまで来たら性急に決めるよりも、自分に合う企業を落ち着いてじっくり選びたいという意向が強まっているようだ。

現時点の持ち駒企業数

今後の就職活動の方針・戦略

就職先を決定し、就職活動を終了したいと思う時期

4.内定式について

10月1日前後の内定式の有無を聞いた。「内定式があった」のは71.2%で、「なかった」が14.5%、「これからある」が14.3%。内定式の開催日は10月1日が依然多く、82.2%に上った。選考日程が繰り下がったことで、内定式を開けない企業が多数出るのでは、との懸念もあったが、データを見る限り影響はあまりなかったようだ。ただし、開催時期がやや後ろにずれる傾向も見られる。
内定式で実施された内容に前年と大きな変化は見られないが、多くの項目で前年調査より数字を伸ばしており、企業側が内容を充実させている様子がうかがえる。例えば「人事部長等の講話」が59.0%から68.9%へ、「内定者研修」が24.0%から29.2%へと増加した。

10月1日前後の内定式の有無/内定式の日にち

内定式で実施された内容

5.入社までの半年間の過ごし方

就職活動を終了している学生に、入社までの約半年間の過ごし方を尋ねた。
最も多かったのは「卒業論文・卒業研究など専門分野の勉強」で85.5%と8割強に上る。但し、文理で差が見られ、文系は7割台であるのに対し(76.9%)、理系は9割を超えている(96.5%)。逆に文系のほうが高いのが「アルバイト」。文系は72.4%と7割を超えているが、理系は35.2%にとどまる。残りの学生生活をどう過ごすかは文理で大きく異なることがよく分かる。

入社までの半年間の過ごし方

6.内定後のフォローと内定者研修

学生は内定後、企業にどのくらいのペースでフォローしてもらいたいと思っているのだろうか。就職活動終了学生に尋ねたところ、最も多いのは「1カ月に1回程度(毎月)」で33.5%が選んだ。次いで「2カ月に1回程度(隔月)」23.8%、「3カ月に1回程度」12.4%と続く。
一方で「基本的にフォローは必要ない」という回答も2割程度見られた(19.3%)。「フォローは必要ない」との回答は、文系学生17.0%、理系学生22.1%と、理系のほうが5.1ポイント多い。希望するフォローのペースも、全体的に理系学生のほうが頻度は低く、頻繁なフォローは望まない傾向が表れている。前ページで見たように、入社までの過ごし方で理系学生の96.5%が「卒業論文・卒業研究など専門分野の勉強」を挙げており、内定先とはいえ学業の妨げにならない範囲で、ということなのだろう。
また、内定期間中の研修等について考えを尋ねたところ、「基本的に賛成」21.4%、「どちらかといえば賛成」43.2%と、賛成派があわせて64.6%に上った。語学の学習や資格取得といった自己啓発に対し企業側のサポートを望む声は少なくない。ただ、これについてもやはり文理で差が見られ、文系学生の68.5%が賛成しているのに対し、理系学生では59.6%にとどまる。
いずれにしても、学生の負担にならないように気を付けたい。

企業に希望する内定後フォローのペース

内定期間中に研修や課題が出ることへの考え

7.就職活動の費用

就職活動にかかった費用について、「リクルートスーツ代」「交通費」「宿泊費」「資料費」「備品代」「有料講座受講費」「その他諸経費」の7つの項目ごとに金額を聞いた。各項目の平均を算出し足しあげると162,902円となり、前年調査(151,326円)を11,500円余り上回った。
増加額が一番大きいのは、就活費用のうち最も多くを占める「交通費」で、前年の69,706円から75,309円へと約5,600円増えた。採用広報期間が伸びたことで、選考前に面談やOB・OG懇談会を実施するケースが増えたことなどが、交通費の上昇に繋がったと考えられる。「宿泊費」も前年の8,324円から10,873円へと約2,500円増加した。
全体の費用を地域別に見ると、平均額が最も高いのが前年同様「九州・沖縄」で、232,601円。2番目に高いのが「東北」の199,508円。地方は交通費の額が多く、「東北」「中国・四国」「九州・沖縄」の3地域で10万円を超えている。全体の金額が低いのは「関東」140,642円、「近畿」159,903円といった都市圏。交通費・宿泊費の違いが合計額に大きく影響している。
就職活動費用の出どころは、「親に出してもらった(返済しない)」が50.5%と今年も過半数。負担額も前年より約6,200円増えて10万円を超え、親への経済的依存度は高まった(100,005円)。

就職活動の費用

就職活動費用の出どころ

■就職活動の費用について 

○夏の就職活動となったため、スーツ一つで乗り切ることが厳しく、新しくスーツの購入が必要となった。<総額150,000円>

○私は地方生で、東京で就活をしていたので、地方との長距離移動費と在来線の電車賃を含めた交通費が一番かかりました。また、友人と一緒に部屋を借りてルームシェア生活をしていましたが、それでも部屋代が10万円以上、食費が10万円程度かかりました。<総額352,000円>

○地方学生の費用負担が大きすぎる。特に今年のように実質長期化してしまうと何度も往復する必要があり非常につらい。<総額220,000円>

○正直金銭面は非常に苦労しました。6月ぐらいまでは地下鉄2〜3駅は基本歩くように心掛け、昼食代は弁当を作り節約しました。<総額286,500円>

○面接解禁日まで時間があったため複数社のセミナーやOBとコンタクトを取ることが求められ続け、交通費が異様にかかったように感じている。<総額95,000円>

○入学式に買ったスーツがリクルート用だったので、それを使った。途中でもう一着買いたした。Yシャツは3枚で運用。ストッキングは5枚で550円のものを何回も買っていた。もっとも大変だったのは交通費。交通費が支給されない説明会や面接も多く、どんどん貯金が減っていった。<総額124,000円>

○アルバイトもあまり出勤できなかったのでかなりきつかったです。カードでの支払いが今に響いてきています。<総額347,000円>

○学校が就活期間中(4〜7月)は就活支援バスを用意してくれたので非常に助かったが、それでもたくさんお金がかかってしまったので地方の大学生は気軽に就活に取り組めないと感じた。<総額153,000円>

○宿泊をカプセルホテルにし、交通は高速バスとか青春18切符を使って節約したつもりだったが、凄くお金かかったなー。<総額203,000円>

○webでの説明会を増やしてもらえると、地方大学の負担はだいぶ減るのではないかと思う。<総額315,000円>

○リクルートスーツは買わなかった(塾講師で使用していた普通のスーツ)。交通費や宿泊費も企業に負担していただくことが多かったため、かからなかった。<総額15,000円>

○就職活動を行う前に特に備えていたわけではないので、親に支援してもらい迷惑をかけてしまった。<総額261,000円>

○スーツ・鞄・靴などを揃えるための費用と、証明写真代が高額でした。実家暮らし、東京近郊住まい、都内までの定期アリという恵まれた環境でも、負担に感じました。<総額130,000円>

○説明会や面接の間にある微妙な時間を潰すために使った費用が地味に無駄な浪費をしたと感じている。公園やベンチなどがあればそこで待機できたが、無い場合カフェに入って待っていた。<総額170,000円>

○新聞がお財布にも部屋のスペース的にも優しくなかった。元をとるために必死になって読んでいたら知識が増えた。<総額78,000円>

8.就職活動でついた嘘

就職活動で「嘘」をついた経験を尋ねたところ、嘘をついたことがある学生は全体の68.2%に上った。どのような嘘をついたかを尋ねると、「第一志望ではないのに『第一志望です』と嘘を言った」が約7割で最も多かった(69.7%)。次いで「他社の選考状況を聞かれ嘘をついた」47.7%、「学生時代のエピソードに嘘を混ぜた」31.7%と続く。
嘘をついたときの心境を自由に書いてもらったところ、「内定を得るためにやむを得ず」といった苦しい心境を語る意見がある一方で、「嘘も方便」と悪びれないコメントも多数見受けられた。さらに、水面下での採用活動など企業の新スケジュールへの対応の仕方から、嘘をつくことは「お互い様」と考える学生も見られた。

就職活動でついた嘘

■「嘘」の具体的な内容や、そのときの心境 

○学生時代のエピソードは、2割増しくらいに話した。他社の選考状況は、進んでいることにした方が先に進みやすいと先輩から聞き、実行していた。「第一志望です」は常套句。そう言うものだと思った。<文系女子>

○第一志望と言わないと内定が得られないと聞いていたため、言ってしまった。<理系男子>

○受けているところをすべて教えてと言われたけど、大事なところは言わなかった。<文系男子>

○就活終了を約束した上で内定をいただいたが、就活を継続した。人事の人と意気投合した上での内定だったため、今後辞退する可能性も含めて非常に心が痛んだが、いっときの感情に人生を左右されてはいけないという気持ちの方が大きかった。<文系男子>

○同じ業界のほかの企業を受けていないのは不自然だと思い、受けていない企業の名前を言ったことがある。<理系女子>

○本当は他社の内定者イベントだったが学校のゼミだといって選考日程を変更してもらった。申し訳なく感じた。また内定辞退の際、一番の理由は給与への不満だったが、それを直接人事の方にいうことはできず、自分のやりたいことと違うなどという理由を述べた。これに関しては仕方がないと思った。<文系女子>

○まだ他企業の多くが選考を始めていなかったが、結果を早く出してもらうために、他企業の選考が同じ段階程度に進んでいると嘘をついた。<理系女子>

○嘘と言っても、0を1にするようなものではなく、1を2にする程度のものだったから、そこまで心苦しくはなかった。<文系男子>

○そもそも8月前に選考を行っている時点で、政府や学校側との約束を破っているため、お互い様だと思う。<理系男子>