現在地はHOME  ディスコ キャリタスリサーチ コラム 「社員研修に関するアンケート」結果-2013年6月実施

「社員研修に関するアンケート」結果-2013年6月実施

ディスコでは、企業の社員研修・教育担当者を対象に、自社で実施している社員研修について、現状や課題を調査した。研修対象としている層や予算比率、実施プログラムといった実状だけでなく、効果測定の有無やアセスメントの活用状況なども尋ねた。また、英語研修の実態や、経営人材の育成といったトピックまで、多岐にわたる内容を尋ね、分析した。
新入社員を含めた若手社員への研修は手厚いが、管理者以上の研修となると、ニーズはあるものの比較的手薄であることが分かった。

《調査対象》

[1] 研修担当部署に関して

社員研修・教育担当職は他業務との兼任職である企業が大半で、今回の調査では、専任者は10.3%にとどまった。残りの89.7%の兼任者に対し、どの業務との兼任かを尋ねたところ、「人事採用業務」が最も多く、91.3%にのぼった。他に「人事労務業務」「総務業務」が半数を超えている。

社員研修担当職/兼任業務

[2] 研修の対象と予算比率

社員研修を実施している対象は、「新入社員研修」が95.9%で圧倒的に多く、次いで「若手社員研修」81.1%、「管理職研修」62.1%と続く。新入社員を含む若手社員を対象とした研修を実施する企業は多いが、次世代経営層を入れても、経営者研修を実施している企業は少ない。
年間予算の配分比率平均は、新入社員を含めた若手研修の合計が48.1%、管理職研修関連が33.0%、経営者層研修18.8%の配分となっている。

社員研修の対象層

研修対象層別予算比率

[3] 研修プログラム

実施しているプログラムを見ると、「新入社員教育」の実施率が95.5%と最も高く、「内定者教育」を実施している企業は56.8%にとどまっている。内容としては、「マナー教育」「リーダーシップ教育」の実施率が高く、「語学教育」や「経営理念・DNA継承」の実施率は低い。
実施状況と比較してニーズの高い研修としては「中級管理者教育」「上級管理者教育」が挙げられ、内容としては、「リーダーシップ教育」のニーズが比較的高い。

実施しているプログラム/ニーズの高いプログラム

[4] 若手社員に身に付けさせたいもの

若手社員への研修が手厚い企業が多いが、研修を通じてどのようなことを身に付けさせたいと考えているのかを尋ねた。「コミュニケーション力」84.4%、「問題解決力」70.4%の2つが高く、期待が大きいことが分かった。

研修を通じて若手社員に身に付けさせたいこと

[5] 研修の効果測定

研修の効果測定は6割強の企業で実施されているが、「殆どの研修プログラムに対して実施している」という企業は16.5%にとどまっている。
効果測定の方法を見ると、「受講直後のアンケート調査等による受講者の満足度評価」を行っている企業は60.5%と6割を超えるが、「学習到達度評価」や「行動変容の評価」といった本来の意味での効果測定を実施している企業は2割にとどまり、「業績向上度合の評価」まで行っているのは14.8%だった。
研修時の目標設定に関しては、約75%の企業で実施されている。

研修の効果検証
効果検証の方法
研修時の目標設定

[6] 研修の実施方法

各研修の実施方法について尋ねたところ、「新入社員教育」「新入社員フォロー研修」「内定者教育」などの新入社員関連研修は社内研修比率が高く、中・上級管理者教育に関しては外部講習や外部派遣比率が高いことが分かった。「グローバル人材教育」「リーダーシップ教育」に関しても、外部比率が高かった。
研修対象やプログラムによって、社内と社外、またeラーニング等を使い分けている様子がうかがえる。

研修の実施方法

[7] 社内研修の講師

社内で実施している研修について、誰が講師を務めているのかを尋ねた。社内講師だけで実施している割合が最も高いのは「内定者教育」で87.4%を占める。内定者フォローに外部講師を招くケースは現状では少ないようだ。「新入社員教育」となると外部講師を活用する割合は跳ね上がり、57.9%と約6割となる。「語学教育」は外部講師だけで実施する割合が高い。

社内研修の講師

[8] アセスメントの活用

アセスメントを研修や人事評価時に活用している企業は20%弱。人事評価フィードバック時の活用が最も多かった。採用時に使用したアセスメントをその後の研修に活用している企業は15.6%だった。

アセスメントの活用状況

[9] 英語研修の実態

英語研修のニーズがあるという企業は41.6%と4割を超えているが、実際に社員に英語研修を実施している企業は17.3%にとどまっている。[7]で見たように、語学教育は外部講師を利用するケースが多いため、実施のハードルが高いと捉える企業が多いのだろう。
実施されているものの中で比較的多いのは、「TOEIC点数アップ」で8.6%。一方、英語研修ニーズの高いものとしては、「英文e-mail/英文レター作成」「英語による接客」「英語のテレコミュニケーション」「英語プレゼンテーションスキル」などがあり、どちらかというと初歩的なコミュニケーションのニーズが高い。

英語研修の実施状況/英語研修のニーズ
実施中の英語研修

[10] 経営人材の育成

最後に、経営人材(幹部候補生)の育成について尋ねた。経営人材育成への見解として最も多いのは「コア人材を対象に、戦略的に育成していくのが望ましい」で、65.4%が選んだ。「計画的に育成しても意味はない」は4.9%にとどまり、何らかの育成方法が必要であるという考えが大勢を占めた。しかし、どのような方法で経営人材を選抜しているのかという問いには、45.3%が「経営者の判断に任されているのでわからない」と回答するなど、選抜方法については不透明な部分が多い。後継者育成(事業継承)上の課題についても、「後継者(経営人材)をどう選ぶか戦略的な方針や基準が無い」が最も多く、次いで「経営人材たる後継者の質(能力等)が不足している」が続いた。

経営人材の育成